Borneo Indonesia
Berau 20030428
まだ足りない学び旅/
learning trip without the end
イニフタニ・ブラオの森林めぐり/
Walking around Forest of Inhutani Berau
2003年4月28日(月)
明日ブラオへ行こう/Let’s go to Berau tomorrow

費用の計算を本格的に始める。領収証が全額そろわないと派遣費の返還を求められるとか。残り日数も少なくなった。
今日、突然急に、アブ先生が明日ブラオに行こうと言い出した。いつものことで、驚きはしない。私は長旅から帰ってきたばかりだが、アブ先生はどこにもいかなかったので、うずうずしていたに違いない。急だが問題はない。下宿の一家はあきれるだろうが…
2003年4月29日(火)
朝起きて再び旅行の準備。幸い洗濯はメスラで済ませていたので、着替え3セットはかろうじてある。イブ・リスナーに出かけることをインドネシア語を使ってやっとのことで伝えた。やはりびっくりしていた。
いったん一旦カントールへ行ったが、アブ先生は大忙し。会社の用事はてんてこ舞いのようだ。どうやら、またエコラベリングの調査が入るらしい。今度は別の人がCAMPに出向くので、その人と始終打ち合わせをしている。普段はのんびりしている会社のほかの人も忙しそうだ。
一段落して、空港へ向かいブラオへ飛んだのは午後3時。飛行機から眺めを見ていると、石灰岩のぎざぎざした山があちこちに見えた。おもしろそうなところだ。一度行って見たいとアブ先生に言うと、そこは無理、もっとお金を用意しなければ、とのことだった。写真ぐらいは撮りたかったが、今日はカメラを用意していない。残念。
ブラオに着くと、アブ先生はブラオの事務所の人たちとまたまた大忙し。ここはここで、ブラオ地方の行政と会社の間に問題を抱えているとか、アブ先生の会社は大変。
私はホテルに残されてただ寝る。
2003年4月30日(水)
イニフタニ・ブラオの樹木園/
Inhutani Berau Arboretum








































朝からブラオの事務所の人がやってきて、打ち合わせ。その後アブ先生は正装してブラオの知事のところへ折衝に出かけた。また一人残され寝ていた。
午後からは、Campお抱えの運転手を呼んで、イニフタニの実験林を見学に行った。イニフタニは国の作った合弁会社だそうだ。ブキットバンキライもこの会社の経営だという。実に来た実験林は、一般に開放された公園のような施設。かつては入場料が費用だったようだが今は無料。
見学してみると、恐らく公園化した当初はきれいにしていたのだろうと思われる樹木の名板の文字がもう見えない。ところどころ見えるものもあるが、管理はされていない。インフォメーションプレートもほとんど見えない。きれいな森林ではあるが、利用されている気配がしない。択伐後の森林を公園化して、動物の檻なども作って、いろいろな動物が見れるようにしていたのだろう。今でも、ヘビとクマと?トリはいる。
折角作った面白い施設なのに、メンテナンスが良くない。ここに金をかけることができればよいのに。うろうろ林の中を歩き回ると、大きな樹も残っていて面白い。観察路周りの刈り払いは適宜行われているし、最低限の管理は行われているようだが、朽ちたプレートばかりが目立つのはいただけない。もったいないというのが素直な感想だ。
この国は作るものは作るが、あとのメンテナンスをしないというのが特徴なのかも?




今日の見学の終わりに川に出た。カリマンタンは水運の島だ。どこへ行っても川に接する人の営みがあって、人もまた川に接するところへ集まって来るのだろう。川の力は偉大…
2003年5月1日 (木)
イニフタニ・ブラオの実験林/
Inhutani Berau Experiment forest

イニフタニの管理する面白い森林があるのだとういことで、ここブラオに来ている。イニフタニはブラオ一帯で実験林の名のもとにおもしろいいろいろな試験を手掛けているようだ。この界隈には、以前ロタンの植栽地の見学に来たことがある。あそこはロタンより、ウリンを見にいったような感じだった。豊かな発想のひとつとしてロタンの植栽を手掛けたが、その後のメンテナンスはどうしたの…という具合だった。今度もなにやら怪しげだ。


















































行先はヨーロッパのNGOが択伐後のデータを取るために設定した試験林。アブ先生は、イニフタニに勤める教え子に、択伐試験林が現在いい林になっているから見に来てほしいと、誘われたらしい。
行ってみると、確かに大きな樹も残っていて、木々は素性良く真っ直ぐに伸びている。メランティの稚樹もところどころ集中して定着しているのをみることができる。
1990年伐採だから次の伐採は2025年ということになる。法律ではそれまで伐れないから、今ある大きな樹はひょっとすると枯れるかもしれない。残しすぎると収穫できずに枯らしてしまうとは皮肉なものだ。
伐採は、DBH50cm以上の林木をhaあたり10本程度というこ条件で行われたということだ。それにしては残っている巨木が多いような…残っている大きな樹を指差してあの樹はなに、この樹は何と尋ねていくと、分かった。きっとシンカーだ。ウリン、カプール???
残存する巨木の多くは枯れ始めている。もったいなかったですね…わたしはつぶやく…
アブ先生はいう、昔はシンカーを運ぶのは大変だったし、当時の木材需要は合板用が主で加工しやすいことが条件だった。だからメランティだけが伐採され、シンカーは残された。今はシンカーでもノンデプトロカルプスでも加工できるし、製材もできるから、なんでもいい。この林は今になって見れば良い林です。伐採したときはメランティが少なく、あまり良い林とは言 えなかったのだろう。だから、イニフタニもNGOにこの部分を試験地として提供できたのだろう。
違法な木材収穫/
Illegal Logging







この森林の伐採は、法律上2025年まで制限されている。しかも伐採には許可が必要だ。なのに伐られた丸太や、現地製材された板が林地にころがっている。イニフタニも関知していない…illegal loggingです…と案内人は説明する。
法律違反であることは間違いない。ただ、規模は小さく、想定できる違反者は地域住民だろう…生活の糧を神の森から頂戴しているだけなのに…という主張に外国の人である私が反論できるわけもない。
illegal loggingの問題は、巨大ビジネス資本が、あたかも国から許可を得ているような振る舞いで、大規模伐採を実施し、知らぬ間に海運で持ち去る実態だろう。これは黙っていていいものではない。
エコラベリングシステムはこうした問題の改善ために機能してもらいたいものだ。
畜産施設/
Stock farming shed








ついでに、牧場があるので観てこいと言われたようで、牧場らしきところへ来た。これはどうもおかしい。牛舎はあるが、牛はわずかしかいない。放牧している様でもないし。わずかにいる牛も乳牛で、搾乳している気配もない。ただ生きているという感じだ。
この牛舎建設の経緯は相当屈折していて、今となっては手のつけようも無く、村の人もただ飼っているだけのようだ。頃あいを見て食べてしまうのだろう。売り物ではなさそうだ。話によると、この一角の森林を伐採して金にするため牧場建設を理由にし、仮の牧場を作っただけで頓挫ということらしい。関係者は今は無く、やっかいな代物になってしまった。どうしようか?という状況らしい。イニフタニはこれを管理下からはずしてしまったようだ。
どうも、いくら話をきいても、理解できなかったり、そもそもわけが分からなかったりすることが多い。牧場の件も折角だから牛を飼ってみればよいのにと思うが、金を出す人がいないようだ。問題は金がない。作るのは作るが、あとのメンテナンスがない。作る金はあっても、メンテナンスにかける金は無い。ここもか。
昨晩も今晩も宿泊しているホテルというのは、実はホテルではなくイニフタニのゲストハウス。ここのすばらしいのはなんといってもまかないの食事。この食事がべらぼうに美味い。ここのご主人はどこかのホテルのコックだったとか。ただのコックではなさそうだ。イニフタニ自慢のシェフ付きゲストハウスだと思う。
アブ先生にイミグレーションから電話があり、私のビザ延長は容易な話ではないとのことだ。アブマジックも効かないらしい。
どうやら23日にジャカルタから正しくインドネシアを去れということだ。とすると、サマリンダにかえればとても忙しくなる。
2003年5月2日 (金)
イニフタニブラオが造成管理する湿地の森・プルプック林/
Perupuk Forest management in the swamp by Inhutani Berau

プルプック林への道は産業水運路としての河川/
The way to Perupuk Forest is a river as an industrial waterway








河岸のマングローブ林/Mangrove forest distributed over the riverside










プルプック林/Perupuk Forest



















































湿地帯の森林を見に行った。やはりイニフタニの管理する森林。プルプックの森林だ。今日は金曜日なので昼のお祈りがあるから昼まで出れない。午後になって、運転手を入れて3人もガイドが来て、出発した。もちろんガイドとはイニフタニのスタッフ。
ゲストハウスから車で川沿いをやや上流に向かい、川に出てボートに乗ってさらに遡った。森林のあるのは川沿いの湿地帯。いわゆる後背湿地だろう。中へ入って見ると2-3ha程度のプルプックの森林がスポット状に現れる。プルプックは水の多いところに生えるようで、土地の低いところにコロニーを形成していた。土地の高いところには他の樹木で構成されている。
プルプックの木材は、かつて地元の人が使うだけで、ログとして伐り出されることはなかったそうだが、最近日本人と韓国人のバイヤーがまとめて買い付けに来ると言う。材は白くきれいで、薄板や丸棒に製材して輸出されているという。恐らく家具などの部材に使うのだろう。端材も残らず輸出される。
森林そのものも美しい。白い幹とそれが真っ直ぐに伸びる様は本当に美しい。森林内に作られた木道を通って歩けば、普通の人も楽しめるだろう。この森は公園になる。公園にして人を呼べばよいのにと、アブ先生からイニフタニの人たちに言ってもらった。
プルプックの森林は、枝が高い位置まで枯れ上がり、耐陰性はないようだ。水分が多すぎて、他の樹木が進入できないようなプール状の土地に分布している。種子も落葉と共に水に浮きながら、発芽し、水生植物のような発芽と定着の生活系を持つという。面白い樹木だ。
上木で閉鎖されたところには、生長する稚樹はない。疎開穴が開いていると、生長盛んな幼樹を見ることができる。なおかつそこは水のたまるところになる。天然更新での定着の条件は光と冠水だろう。冠水のないところでは、他の樹木が優先する。択伐天然下種更新でいけそうだ。
イニフタニはこのプルポックを造林している。造林の条件には冠水は無い。どんなところでも植えれば育つ。ただ、光のコントロールが必要のようだ。苗は挿し木からも種からもこの土地で作っている。
面白い林を見せてもらった。おまけに、イニフタニのキャンプに寄ってメランティの造林も見せてもらったが、これは今まで通り。しかし、丸太が鬼のように集められる様は他の会社では見られない規模だ。さすが国の作った会社らしい。
明日は海がめのいるところへいくという。